エジプト1週間 女ひとり旅 5日目

 

5日目

 

 

ジミーとその友人に見送られ、アスワンを出発しました。

翌日午後にはカイロに到着出来ているはず。
そう思いながら座席を倒し、眠りにつきます…

と、しばらくして突然
隣の長身黒人男性に起こされます。

隣に男性が座っただけでちょっと不安だったのに、起こされたものだから
何事?!
と飛び起きます。

すると男性は自分のパンを指差し、
「要るか?」
という仕草をし、車内販売からパンを買ってくれました。

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薄い唐揚げのようなものが入ったパンです。

「いくらですか?」
と聞くものの、
「要らない」と手を振るばかり。

こんな外国人を助けて…
一体あなたに何のトクがあるというのですか…

さらに温かい紅茶まで注文してくれて…
本当にありがとうございます。

しかしこの人…
カイロの手前のギザ駅まで乗っていたのですが、
寝ている私の膝に手を置いたり太ももに触れてきたりと、ちょっと嫌な感じもありました。

その都度起きて体の向きを変えては除けていました。
乱暴をはたらく様な人ではありませんでしたが、女性ひとりだとこういうことが起きてしまうのですね。
どうしようもありません、気丈に、それを避けるだけです。


長い長い乗車時間の間、
一度だけトイレに行きましたが便器の底から地面が見えました。
垂れ流しかい。笑


時々MAPS.MEを見て眠りにつきました。
12時間を見積もっていた乗車時間ですが、全然カイロに到着しそうにありません。
それどころか

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ナイルを挟んで反対側にカイロがあります。
大丈夫?これ、ちゃんとぐるっとカイロまで行く?このまままっすぐ行ってしまって、わけ分からん街に運ばれたらどうしよう?
ものすごい不安。

お!?

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おお!!!
ちゃんと曲がった!!!

よしよしこれでちゃんとカイロに着けそうです。

ちなみに10何時間もWi-Fiなしは嫌だったので、データローミングをオンにして日本と連絡を取り続けていました。
お母さんがハラハラしていました。

エジプト行くのも、ずっと前からそれを言うと止められると思って2週間前くらいに
「2週間後にエジプト行きますので」
と母に報告しました。
母は引いていました。

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ルクソールのアッシェムが連絡をくれ続けます。
既読無視の概念はないそうです。

そんなこんなで14時間かけてアスワンからカイロへ移動できました。
22時発の14時間後なので、到着は昼の12時。
長かった~!


まず、既にカイロに着いているはずのジミーに電話をします。
また会話に苦労しますが、とりあえず向かうから待っててみたいなことを言われます。

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発車しかけた電車に、奇声を上げながら乗り込む人々。
あんたらすごいな…



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ラムセス駅。
カッコいい。

30分ほど待ってみて、再度ジミーに電話。
何を言っているのか全く聞き取れない…
とりあえず、まだ待っててみたいなことを言ってると解釈し、お腹が空いたので駅の2階にあるフードコートへ行くことに。

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コシャリとコーラ。

店員のお姉さんが若くて可愛かったのでついバクシーシを多く払う・・・

ジミーに
「フードコートにいるよ!」
と電話し直してしばらくし、
感動の再会を果たします。

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お茶を飲みます。

ミント???
の様なものと大量の砂糖を入れて飲んでいたのでそれを真似します

時刻は14時とか。
午前中に到着できるならピラミッドに行こうと思っていたのですがちょっと遅い…

ピラミッドは明日にして、今日は考古学博物館に行くことに。

ジミーがタクシーでホテルまで送ってくれ、
19時頃にまた合流し、食事しようと約束。

ホテルに着いたはいいもの、外観がボロ過ぎて
「うわ~ちょっとやばいホテル選んだか…?」
と不安になりましたが
中に入ってみると

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なかなか綺麗ではありませんか。

ウェルカムドリンクもくれて、フロントの対応がとっても丁寧です。


大きな荷物を置いて携帯をしばらく充電し、
16時過ぎにホテルを出ました。
博物館17時までじゃないかなと言われていたのでギリギリだな…と思いつつ
サングラスをかけて颯爽と歩きます。

絡まれないように、
絡まれないように、
絡まれないように…

そんな私をよそに、1人の男性が声を掛けてきます。
「やぁ、どっから来たんだい?」
「日本だよ(早足)」
「日本か素晴らしい!どこへ行くの?」
「博物館(早足)」
「博物館もう時間ないじゃん」
「ノープロブレム(早足)」
「そうか、じゃあ途中まで一緒に行こう」

カリンと名乗る男性でした。
ああ、もう、何で、着いてくるの…

でもこの男性、わりかしイケメンで
交通量の多い道路を
「ちょっと失礼」
と言いながら私の手を取り渡らせてくれました。

博物館前で
「それじゃ」
と言って去ろうとすると
「また君に会いたい」
とかなんとか言い、携帯の番号を教えて!とせがまれます。

まあ、教えるだけ教えてさよなら~しようと思い、
「終わったら電話くれよ!」
を聞き流して入り口に向かいます。

しかし、
何故か博物館がしまっています。どうしよう…
入り口のおじさん曰く、
「木曜日は特別で、17時30分からナイトタイム開館します」
とのこと。

なぁんだ、とホッとしながら来た道を歩いているとすかさずそこへカリンがやってきます。
「な?言っただろ!待ってる間一緒にお茶飲もう!」

 

降参…

彼はどうやら旅行会社のオペレーターをやっているようで、退勤後に私を見つけて声をかけたんだそうです。
お茶を奢ってくれたのですが、私が払うそぶりをすると、
「じゃあ次回は君が払ってよ」

ん?次回はねえぞ?


「もう行かなきゃ」と言うと、仕方なさそうに博物館まで送ってくれました。

途中で香水のお店の前を通りがかり、そこで少しお土産を買いました。
ちょっと値段が張った気もしますが、香水瓶もいくつか購入したのでそんなものかな…

 

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ふむ、確かにキレイ。

母が喜んでいました。

香水「クレオパトラ」は現在私の部屋で香りを放っています。



博物館に行くと18時を過ぎていました。
「明日会えないか?」に対し、
「友達と会うから」と答えると
「それ断ればいいじゃん」という横暴ぶり。

ジミーとの約束があるので適当に色々言って、バイバイします。
ああ、やっと博物館!!!!!!


並んでいるととても人懐っこい小学生の男の子がいる日本人家族に出会います。
なにやら、ガイドさんの卵として修行を積んでいる2人のエジプト人女性を連れていました。
一緒にどうかと誘って頂き、ついて行くことに。

考古学博物館にはとにかく色んなものがあるので全部丁寧に見ているとキリがありません。
ガイドさんの卵が重要どころをかいつまみ、頑張って日本語で解説してくれました。
トトメス2世推しらしく、熱弁していました。可愛い。

博物館でインパクトがあるのはツタンカーメンのフロアでしょうか
前述の通り、彼の墓は未盗掘で発見されたので、墓の中の品々が全て残っていました。
それがずらりとあります。

そして最後に待ち受けるのが、
黄金の輝きを放つ、かのツタンカーメンのマスクです。
写真は撮れません。
思わず見惚れる輝きでした。

圧巻です。
中身には王家の谷で会いました。
何だか不思議な感覚です。

ナイル川ナイトクルーズに行くという家族とお別れし、
私はひとり、静まり返った
「ミイラ室」
へ向かいます。

王家の谷で見つかったファラオたちのミイラが、この博物館に眠っています。
別料金ですが、私が一番楽しみにしていた場所です。

ファラオたちは静かに、そこに眠っていました。
ルクソールアブシンベルで見た葬祭殿・神殿を作った本人たちが目の前にいるのです。
しっかり髪の毛を残したミイラも。

本人たちからすれば、墓から掘り出されて人前に晒されて。冗談じゃないですよね。

でも、私は皆さんに会いたくて頑張ってきました。
鳥肌ものの感動です。


気がついたら20時です。

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さらば考古学博物館

ちょうどその時仲良しの後輩がベトナムにおり、
ベトナムエジプト間でテレビ電話しよう!」
という約束をしていたのでそれを果たし、

(LINEは偉大)

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ジミーに電話します。
ホテルに迎えに来てくれるそうなので一度ホテルに戻ります。

この後、ジミーはカイロのインターコンチネンタルホテルに連れて行ってくれ、その友人とベリーダンスを見ながら

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文字どおり吐きそうになるまでご馳走になりました。

明日はピラミッド後にアレクサンドリアの予定でしたが、あまりに時間の余裕がないので
ジミーのヴィラがあるというソフナに行くことに。

アレクサンドリア…いつか訪れる機会があるといいな…

解散が午前2時になったので、明日は10~11時くらい集合にしようと提案し、泥のように眠ります。

 


ホテルの入り口。
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おお怖。